普通のこと

先日友人と新宿の喫茶店にて

お茶をしました。

 

こうして10年来の

友人なんかに会うと

東京に出て、

社会に出て、

日々感じる世の中の普通と

私たちが生きてきた中で

共に育んできた普通には

かなりの違いがあると実感します。

 

私たちの面白いが

通用しなかったり

逆に相手の面白さが

理解できなかったり

 

私たちが当たり前に与える愛情が

相手には大き過ぎたり複雑過ぎたり

 

あの人が結婚するに当たって持った

100%の覚悟が

私たちの考える覚悟の

5%に満たなかったり

 

そんな世間とのずれが

嬉しく感じる時もあれば

寂しく感じたりもします。

 

大切な人を喜ばせたいし

大切な人を理解したいし

大切な人に大切にされたいし

そのためなら

愛情なんて無限に溢れ出る。

でも最近気付いたのだけど

意外と世間には

もっと割り切った考えの人や

人の立場に立てない人や

簡単に人を傷付ける人が多いみたいです。

 

結局価値観や考え方は

生きてきた環境や

見てきた現実で

大きく大きく変わるものだから

相手に自分と同じだけのものを

求めても手に入るわけではないし、

きっと相手が求めているものを

私も与えられないのだと思う。

 

これから出会う人と

分かり合うことなんて

できるのかな…

 

少し気弱な昼下がり。

この世界の片隅に

新年早々、失恋した。

 

他に気になる人ができた

と言われた。

 

大好きな人の不幸は願えない

だから仕方がないね

と答えた。

 

その夜も翌日もその次の日も

おいおいと泣きながら

あぁ私って恋愛でこんなに泣くんだなぁ

と感心した。

 

最後にデートをした。

 

我ながら、良いお別れができたと思う。

この世界の片隅に」という

やさしくてまっすぐな映画を観ながら

視界の片隅に彼を見た。

なんとなく、彼も視界の片隅に

私を見ていたような気がした。

 

最後のデートなのに

初めて2人でカラオケに行って

なぜか歌いまくって

30分延長してた。

A WHOLE NEW WORLD の

デュエットまでしてた。

仲良しかよ。

今考えると正直おもろい。

落ち着いてって当時の2人に伝えたい。

この後別れるっていうのに

幸せなラブソングまで歌ってきやがって

空気読めやって思ったけど

ちょっと惚れた。

 

最後は初めて出会った場所で

心残りがないように

大好きって気持ちを全部預けてきた。

もう私が持ってても仕方ないからね。

 

なかなか真面目な話が言い出せなくて

実はあの時ね…

実はあれがね…

なんて違う話をしてたら

「ほんとに話したいことは?」

なんて言われてしまって

やだなぁ、なんでこの人には

心の中がばれてしまうんだろう

なんて思ってまた惚れた。

 

彼は

いつも話すのが遅い私を

いつも最後まで待ってくれる人だった。

この日はいつもより更に

ゆっくりゆっくり

言葉を選びながら話したけど

やっぱり最後まで静かに聞いてくれた。

そんな彼が好きだったなぁと

しみじみ思いながら

切なくて心臓が取れそうだった。

むしろこの日、

街のそこらじゅうに私の心臓が

取れて転がっていたと思う。

誰かが気付かずに

踏んでくれてたらいいのだけど。

 

少しの沈黙の後

彼を忘れる努力をする

と伝えた。

 

それから

大好きだったこと、

初めて会った時から

運命の人だと思ってたこと、

私の彼への愛情は

彼が人生で出会う女性の中で

1番大きくて誰にも負けないこと、

全部伝えた。

恥ずかしくなかった。

彼はかゆいって言ってたけど。

 

恋人じゃなくなっても

きっとずっと大切な人に変わりはないから

つらい時やどうしようもない時

この世界の片隅に

あなたを応援している人が

いることを忘れないでほしい

そう伝えた。

お互い吹き出した。

この日観た映画を

早速盛り込んじゃう自分が

最高にセンスあるなって思った。

やっぱり私っていい女。

 

それでも、惨めだった。

他の人を見ている彼に

これ以上ないくらい

愛してると伝えている自分が

惨めで仕方なかった。

 

言わずにはいられない想いってものが

この世にはあるんだなぁ。

プライドを踏みにじってでも

伝えておきたい気持ちや言葉が

あるんだなぁと知った。

 

最後に手紙まで渡した。

ここまでくるともう重い。

それはわかってる。

自覚してる。

メンヘラというやつでしょう?

口では気持ちが伝えられないかも…

と思って用意してたけど

思いの外全部伝えられたから

渡すのを躊躇した。

でも、捨てるのは違うと思ったから

家で読んでねと彼の鞄に忍ばせた。

 

そして本当のさよならをした。

 

彼が運命の人だったら

きっとまたどこかで

私達は再会すると

心の奥で微かに思ってる自分が

情けなくて仕方ない。

 

でも今は

その根拠のない悲しい希望がないと

歩くこともできない。